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アンリオ HD.1(''Hanriot HD.1'')は、第一次世界大戦中にフランスで開発された単座戦闘機である。フランス軍航空隊では、同時期に登場したスパッド VIIが用いられたために実戦には使われなかったが、ベルギー、イタリアに供給されて大きな成功を収めた。全生産機数・約1200機のうち、831機がイタリアにおけるライセンス生産であった。 == 開発と生産 == アンリオ社は戦前、一連の先駆的な単葉機を作り上げたが、1916年、HD.1を送り出す前にはイギリスのソッピース社のライセンス生産会社となっており、有名なソッピース 1½ ストラッターの生産を行っていた。 HD.1 は、明らかにソッピース機の特徴を受け継いで作られた戦闘機で、頑丈だが軽く、簡潔なラインと低い翼面荷重を持っていた。特に胴体上で上翼を支える支柱は、ソッピース 1½ ストラッターの名称の由来となった、長い支柱と短い支柱を組み合わせた(正面から見て)W字の形式が踏襲されていた。一方、“本家”であるソッピース社が同時期に製作したソッピース キャメルとは逆に、独自の特徴として、下翼は水平で上翼にのみ顕著な上半角を付けており、操縦士の視界をよくしていた。 110馬力の「ル・ローン」ロータリー・エンジンを搭載し、目覚しく早いとは言えないものの、運動性は高く、操縦士にとっては安全で飛ばしやすい飛行機であった。ただし、同時期のより強力なエンジンを積んだ機体と競り合える上昇性能と高空性能を持たせるためには、搭載するヴィッカース機銃は1 丁に限らなければならなかった(実際には、性能低下と引き換えに2丁を積むこともあった)。機銃は左舷にオフセットされて装備されており、不時着の際に操縦士が銃尾に頭を打ち付けずに済んだ。ただし、HD.1 を多用したイタリア航空隊では、中央に装着する方を好み、後にはベルギー航空隊でも中央装備を採用した。 少数の機体は特別装備として、対飛行船/対観測気球攻撃用に主翼支柱へ計8発のル・プリエールロケット弾を装備可能である。 イタリアでは、ヴァレーゼのニューポール・マッキ社において、1917年から1919年の間に約900機がライセンス生産された。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アンリオ HD.1」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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